コッツウォルズの亜麻畑

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2018年1月11日木曜日

お金は使うほど良い庭ができる?


Gardeners’ World誌の連載コーナー、Over the fence(垣根越し)
異なる立場の2人があるテーマ、疑問に対して意見を述べるのですが、それぞれの意見に、もっともだ、とか、それは違うんじゃないか、とか、読んでいるといろいろ考えさせられます。

1月号では「お金は使うほど良い庭ができるか?」がテーマです。




ガーデンデザイナーのアレクサンダーシンクレアさんの意見は・・

 庭に涙が出るほどたくさんのお金をかけることはできます。何かインスピレーションが必要なら、デザイナーにお願いしましょう。新しいパティオが必要?中世の修道院の床に使われたヨークストーンやイタリアの丘の大理石はいかが?チェルシーフラワーショーで見た大きな木々はどうですか?腰掛けるところが必要なら、特別注文したオークの揺れるベンチはいかが?
 ちょっと軽薄すぎましたが、しかし実際、完璧に敷石をしいたパティオは大きな楽しみを与えてくれ、心地よいベンチにもぴったりの場所にしてくれます。いちばん大きな投資は、あなたが楽しめるようなガーデンをつくる手伝いをしてくれる良いデザイナーにするべきです。
 「品質はずっと記憶されるが、値段は忘れられる」という言葉を聴いたことがあります。その通りだと思います。最初に支払いする時は愉快ではないでしょうが、そのあとには幸せな長い月日が待っているでしょう。誰でもできる余裕があるわけではありませんし、夢の庭を実現するための唯一の方法でもありませんが、お金をつかうことで物事を早く動かすことはできるものです。まさしく、時は金なりです。

といった意見です。



これに対してサセックスの小さな田舎のガーデンをもつガーデンライターのヘレン・イェムさんの意見は・・

 手付かずの広い土地を持ってどこから手を付けて良いか分からないけど庭づくりにはいくらでもお金をかけようといった人たちには、すばらしいデザイナーはゲームの流れを変えるような役割を果たしてくれるでしょう。たとえ小さなスケールでも、プロのデザインの魔法の杖を使えば分かるでしょう。
 でも、ほんとうにお金でより良い庭をつくれるでしょうか? 庭づくりの技巧に快感を感じる人にとっては、その楽しみには妥協の技が含まれて、とても個人的なことなのです。植物を増やすのに熱中する人は大金を温室に使うし、果物や野菜を栽培する人はたくさんの完璧なレイズドベッドやすてきなフルーツケージを欲しがるでしょうし、トピアリーに熱心なひとは日本製のよく切れる道具を欲しがるでしょう。個人的には私は花の世話に集中したいので、高い生垣の剪定や芝生の管理などのサービスに可能な範囲でお金を使うでしょう。園路を見た目のよい舗装にしたりしても少しも良い庭になった気がしません。
 デザイナーにお金をつかうのは明らかに少数派と思えます。私を含めた残りの大多数の人は、少しのお金をうまく使えばガーデンのケーキにお砂糖をまぶすことはできるでしょうし、少しの予算でも素敵なガーデンを作ることができると私ははっきり思います。でも一夜にしてそれは実現しません。より良い庭は、育てることが好きで、しかもよく読み、観察し、他の人から学び、そして何より自分の失敗から学べるような人によって長い時間をかけてできるものです。

とおっしゃいます。

さて、あなたはどう思いますか?



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