コッツウォルズの亜麻畑

コッツウォルズの亜麻畑

2017年11月24日金曜日

冬の庭の色鮮やかな枝


落葉樹が葉を落とし、草花も枯れてしまう冬、炎のような色の枝をもつ低木が庭に色鮮やかに輝きます。イギリスの冬のガーデンの主役ともいえるこれらの植物がガーデンイラストレーテッド誌11月号に紹介されています。



サンゴミズキなどミズキ属(Cornus)が代表的です。
夏の間は緑色をしている枝ですが、秋になって葉が落ちる頃に色づいてきます。








もう一つの代表がヤナギ(Salix)です。さまざまな色の個性的な品種があります。





そのほか、とても個性的な色の低木も紹介されています。




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うちの庭にも赤と黄色のミズキがあります。淋しくなる冬の庭で朝日に照らされて鮮やかに輝きます。





2017年11月17日金曜日

今年のガーデン オブ ザ イヤー賞の発表



昨年ガーデナーズ・ワールド誌が発刊25周年を記念して開催したイギリスの個人の庭のコンテスト「ガーデン オブ ザ イヤー」が今年も開催されて、11月号にその結果が発表されました。

今年のテーマは
「小さな庭」
「野生動物に優しい庭」
そして「困難に挑戦する庭」
の三つでした。


「困難に挑戦する庭」の優勝ガーデンの写真が雑誌の表紙、そして特集ページの最初に掲載されています。





「小さな庭」部門の優勝者はエセックスに住むキャロラインさん。
お庭の広さは11メートル×4メートルと、確かに小さい狭い庭。
この小さな庭に広いイングリッシュガーデンでよく見られる、小さな庭に分けるやり方で食事エリア、パティオ、そして芝生などをつくっています。円形のデザインが庭を広く見せ、壁やフェンスなど使えるスペースを余すところなく利用しています。




「小さな庭」部門の次点はベッドフォードに住む父子、デビッドさんとマークさんの庭。
広さは10メートル×12メートル。何もないところから二人でレイズドベッド、デッキ、シダコーナー、芝生などをつくって、以前の庭から植物を移植。プライバシーを確保し、一年中楽しめる植栽に心がけています。




もう一人の次点はケント州に住むベネットさん。庭の広さは13メートル×5メートル。
予算が限られていたので、リサイクルの材料を使って庭造りしています。庭にあった敷石を日当たりの良い腰かけコーナーに再利用、植栽スペースを増やすために芝生の形を変えています。庭の端っこにあった小屋をアーバーに変え、トレリスを立てて縦の面を利用、たくさんの植木鉢を使い、それぞれの季節で空いてしまう空間を埋めるなど工夫。世界中、とくにベトナムから集めた特徴のある葉の植物が特徴です。




「野生動物に優しい庭」の優勝者はアバディーンシャーのヘレンさん。26年前から放置された農地に3つの池を作り、コウモリや子育ての小鳥のための巣箱をたくさん配置し、ハリネズミの隠れ家も作っています。野生動物のエサになる植物を育て、生垣の剪定時期を遅らせて鳥の子育てが終わるまで待ちます。




「野生動物に優しい庭」の次点はカンブリアに住むクリスティンさん。放置された壁に囲まれた菜園で13年前から庭づくりしてきています。幾何学的なレイアウトで池、野菜畑、ベリーやナッツの林などをつくり、野生動物の住み家や食べ物を提供しています。




「野生動物に優しい庭」のもう一人の次点はケント州に住むジーンさん。庭の中心は池です。小さな流れでつながった二つの池を新たに作っています。常緑の生垣で鳥は子育てをし、古い倒木や落ち葉はそのままにしています。




「困難に挑戦する庭」部門の優勝者はオークニー島に住むキャロラインさんです。毎秒30メートルの強風が吹きぬける場所に庭造りをしています。ご主人のケビンさんと見捨てられた土地に石の塀を築き、レイズドベッドをつくり、すばらしいプールをつくっています。植物は支柱がされ、池の中の植物にも波で流されないように支柱をしています。素晴らしい景色を背景にした庭のデザインが評価されました。




「困難に挑戦する庭」の次点はウェールズに住むゲイさんとジムさん。1.6ヘクタールほどのウォーターガーデンを29年かかって作りました。二つの池が滝でつながっています。水を好む植物のほか、それ以外の植物もレイズドベッドで育てています。野生動物を惹きつける庭です。





「困難に挑戦する庭」のもう一つの次点はハンプシャーに住むパディーさんとベンさんです。庭は急な斜面にあり、下は冬に洪水を起こす小川があります。二人は一番下は湿地の庭にして、もっとも下のほうにはデッキで園路をつくっています。花いっぱいのテラスや、高山植物を育てるロックガーデンもあります。




それぞれ個性あふれる庭が受賞していますね。
ガーデナーズワールドのホームページでも写真が紹介されています。



2017年11月10日金曜日

庭の人工芝に両論激突


Gardeners’ World誌の連載コーナー、Over the fence(垣根越し)、ある設問に対して異なる立場の2人が意見を述べるのですが、それぞれの意見に、もっともだ、とか、それは違うんじゃないか、とか結構面白い記事です。

10月号では「忙しいガーデナーには人工芝は恩恵か?」がテーマです。
ちゃんとした庭に人工芝が許されるかどうか、です。



肯定派のLee Connellyさん(写真左)は、家族でガーデニングを楽しむイベントを兄弟二人でイギリス各地で開催しています。2015年にはハウステンボスのガーデニングショーにもファミリーガーデンを出展していました。

彼は、「時は金なり(Time is a currency)、1時間で芝刈りをするより、1時間家族と庭で楽しく過ごすのがいいに決まっている。」といいます。

「芝をきれいに保つのは大変ですが人工芝に変えてしまえば、雑草は生えないし、天気が続いても水やりは不要だし、裏のドアを開ければ何時でもきれいな芝生があります。



おばあちゃんはいつも僕に庭で犬を走り回らないようにはどうしたらよいかと聞きます。芝に黄色いシミがついて、お隣さんがお茶を飲みにきた時にみっともないのです。でも人工芝ならこんな心配は皆無。

人工芝は広さによって結構高価にもなりますが、安物だとかえって困ったことになったりします。お金はかかるけどその分とても役立つので、有意義な投資です。」

最後に、「野生の生き物のための植物を育て、本物の植物ともかかわりあっている限り、人工芝もまた未来のひとつの形で、受け入れても良いでしょう」、と締めくくっています。




一方、人工芝に否定的なMat Biggsさんは、プロのガーデナーで、BBC4チャンネルの番組「ガーデナーの質問時間」の司会者でもあります。

彼は、「ガーデニングは植物を育てることであって、芝も含まれます。」と書き始めます。

「本物の芝は目にやさしく、酸素を発生して二酸化炭素を吸収し、大雨でも一気に雨水が流れでないようにして洪水を防いでくれます。見方をかえればいいのです、すなわち雑草も野の花と考え、デイジーやクローバーなどもきれいな柄のカーペットだと思うのです。野の花は昆虫たちに蜜を与え、昆虫を食べに鳥たちもやってきます。」



「芝刈り機を押して回るといい運動になってジムに行く必要はありません。刈った芝は堆肥の発酵を促進してくれまる。人工芝は環境には何も役立ってくれず、あるのは便利さだけです。芝刈りも週に2回ぐらいやると、簡単に済んで大変ではないんです。犬のおしっこのシミも、おしっこしたところに水をかけてやれば防げます。どこか1か所でするように躾けることもできます。」

「人工芝はやはり本物には見えません。表面は完全に平坦だし、自分の楽園のど真ん中に生命のない緑の場所があることになります。次は人工樹木を植えるのですか??」、と締めくくっています。



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以前に人工芝に関する記事を紹介したことがありますが、それぞれに一理あると思います。

実は私の庭にも一部人工芝にしたところがあります。メンテフリーで掃除も楽、ポットをしばらく置いておいても枯れないなど、大変便利です。庭を訪れる人たちも気が付かないことが多いのですが、最近の人工芝は結構リアルな色につくられているためでしょうね。