コッツウォルズの亜麻畑

コッツウォルズの亜麻畑

2017年3月31日金曜日

庭のアイビーは敵か味方か?


ガーデニングに関するあるテーマに対して二人のガーデナーがそれぞれ異なる意見を紹介するガーデナーズワールド誌の「オーバー・ザ・フェンス」の今月のテーマは庭のツタです。

・ツタにどちらかと言えば否定的な意見を述べるのはトビー・ビースリーさん
  (ビクトリア女王夫妻の別荘オズボーンハウスの主任ガーデナー)、
・ツタの良いところを述べるのはクリス・ベインズさん
  (環境主義者でワイルドライフガーデニングの著者)


トビー・ビースリーさんは、
「家の壁にツタを這わせるのは魅力的でしょうし、痛みのない石造り建築には害はないともされています。でも痛みがある場合は問題を起こしうるのです。成長旺盛な根が弱い部分に入り込むと、モルタルを押し出してしまいます。溝や竪樋、屋根のタイルなどからツタを取り除く果てしない戦いが続きます。ペンキを塗った壁も容易に根が張り付いてペンキが剥げてしまいます。
 木に這わせるのも、強風が吹くときに空気抵抗を増して、木が折れたりする危険が増します。コニファーに這わせると、見かけも悪くなり、陰になる枝からは新芽がでなくなります。
 ツタの茂った葉はいろんなものを隠してしまいます。美しいオークの樹皮を腐らせる真菌、害虫としてのカタツムリなどです。庭の木製のフェンスもツタが茂って湿気のために腐り、やり直すのも大変でした。
 ツタには用途はありますが、美しく保つのには大変な労力も要し、大変です。それでも庭にツタは欲しいですか?」


これに対して、クリス・ベインズさんは、
「秋の終わり、晴れた午後に庭ではツタの音が聞こえます。宝石のようなツタの花は蜜をたたえ、ミツバチやジガハチ、ハナアブ、その他の受粉をしてくれる昆虫たちを周辺から呼び集めます。ツタはその羽音で活気づきます。
 冬を越す準備をするチョウたちの貴重なエネルギー源でもあります。そして昆虫たちの繁殖の場所にもなります。実が熟すと鳥たちの冬の貴重な食べものにもなります。
 丈夫な常緑のため、一年中にわたってとても効果的なシェルター(隠れ家)を提供し、ここに巣をつくる鳥もコマドリなどたくさんいます。イングリッシュアイビーに覆われたフェンスや壁は庭につくることのできる野生動物たちのための仕掛けなのです。」


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 ツタ(アイビー)類はうちの庭でもいろんな場所に植えて使っていますが、確かに茂りすぎて困ることもあります。舌の写真はレンガで作ったレイズドベッドの側面の覆うツタですが、どんどん花壇の中まで成長するので、いつも剪定が必要です。折角のレンガもまったく見えなくなってしまっています。
 それでも、やはりツタは一年中緑で覆ってくれて、自然に溶け込む雰囲気を作ってくれるので、ありがたいと思います。









 先週末に放送されたテレビ番組「ガーデナーズ・ワールド」の第3回で大変興味深かったのは、地衣類についての話でした。そして、この半世紀でもっともイギリスのガーデンにインパクトを与えた植物としてレイチェル・デ・テムが選んだのはオダマキでした。


古い石の上の地衣類

オダマキ



2017年3月30日木曜日

英国有名ガーデンでの”育てて料理”:レシピ一部紹介


イギリスのガーデン「グレート・ディクスター」といえば、まず最初に色やテクスチャーの大胆でショッキングな組み合わせや溢れるばかりの植栽の素晴らしい庭園が思い浮かびます。今年のビズのカレンダーにチューリップが咲く庭の写真が使われています。


この庭を作ったロイド家の人々は20世紀初頭に庭園だけでなく、野菜畑もつくり、そこで栽培された野菜が重要な一家の食材となっていました。その後屋敷を相続したクリストファー・ロイド氏は晩年に料理を独学し、自邸でとれた野菜や果物を使って自分や来客向けにおいしいものをつくるのを楽しみにしていました。そして2001年にそれを「ガーデナーの料理人 Gardener Cook」という本にまとめて紹介しています。(彼は2006年に亡くなりました)

そして、現在グレートデクスターでロイド氏のあとを引き継いでガーデナーの料理人をしているのがアーロン・バーテスセン氏で、新しい料理の本「グレートディクスターの料理」を今月出版しています。この新刊に掲載されているレシピもいくつかこの記事で紹介されています。




以下は今月号のガーデンイラストレーテッド誌に紹介されているレシピです

まずルバーブのタルト

材料(8人分)
・375 gの冷凍タルト生地
・1kgのルバーブ(5センチに切る)
・大さじ2杯のデメララ糖(赤ザラメ糖)
・120 gのグラニュー糖
・小麦粉少々
・バター少々



次は洋ナシのピックル

材料(450 gの瓶 3本分)
・900 gの洋ナシ(皮をむいて芯をとりスライスにしたもの)
・425 mlのアップルビネガー
・450 gのグラニュー糖
・シナモン1スティック
・クローブ(香辛料)10個
・親指大のショウガをスライスしたもの



次は海塩とレモンをあえたパリパリのケール

材料(4人分)
・165 gのケールの葉(硬い茎や葉脈は除く)を8~10 cm大に切る
・1個のレモンの果汁とすりおろした皮
・大さじ1杯のオリーブオイル
・小さじ1/4杯の塩
・小さじ1/4杯のコショウ
・カイエンペッパー 少々


そして最後はカボチャとサツマイモのサラダ

材料(8人分)
・500gのカボチャ(しっかりとして甘みのある品種)
・500gのサツマイモ
・オリーブオイル
・塩と胡椒
ドレッシングには
 ・ひとつかみのコリアンダーとミント
 ・ニンニク2個(潰した、または細かく刻んだ)
 ・ショウガ小さじ一杯(皮をむいておろした)
・大さじ2杯のさらっとした蜂蜜
 ・大さじ5杯のオリーブオイル
 ・1個のレモンの果汁とすりおろした皮
 仕上げに
  ・春タマネギ2個、みじん切り
  ・ひとつかみのパセリ みじん切り




また、この本の出版を記念して、グレートディクスターで野菜や果物の栽培についての講演や、料理の試食などを行う催しの案内も、今月号に載っています。


なかなかこの催しのためにイギリスまで行くのは難しいですが、野菜栽培のアドバイスと料理法が紹介されている本は一読の価値がありそうです。





2017年3月28日火曜日

イギリスのオープンガーデン案内 2017年版


イギリスのチャリティーのオープンガーデンは歴史が古く、NGS (National Garden Scheme)は今年90周年を迎えるそうです。そしてイングランドとウェールズにある3000以上の個人の庭の公開日などを掲載したいわゆるイエローブックが今年も発売になっています。(本を買わなくてもNGSのホームページで公開の庭は検索できます)

雑誌ガーデンイラストレーテッド誌3月号にその紹介が載っています。

スコットランドの庭の案内も別に出版されているそうです。





日本の姉妹団体のNGSジャパンもホームページに毎年チャリティーで公開されている国内の個人の庭の案内が掲載されます。






2017年3月24日金曜日

BBC放送のガーデナーズワールド(第2回)ラッパ水仙、ダリア


BBC放送のガーデナーズワールド 第2回の放送では、
モンティー・ドンは春の花壇の準備でマルチングをし、今年のシーズンに向けてダリアを鉢に植え付けます。




キャロル・クレインは彼女が選んだ今月の植物、ラッパ水仙をたたえます。一方、フランシス・トフィルはバルバドスのアンドロメダ植物園のボランティアとして園芸の技に磨きをかけます。




50年目の番組記念として、ニック・ベイリーはこの半世紀でもっともイギリスのガーデンにインパクトを与えたと彼が考える植物を紹介します。







2017年3月17日金曜日

イギリス キューガーデン流の園芸テクニック


イギリスにある世界遺産に認定された世界一の植物園キューガーデンでガーデニングを学びディプロマを取得し、現在は花咲園芸総研代表を務め、ガーデナー、ガーデンデザイナーなどで活躍の舘林正也(たてばやしなかや)さんが昨年末に出版された「はじめての英国流 園芸テクニック」という本を紹介します。


この本では、最初にキューガーデンの魅力について紹介されています。
おすすめのポイントとして、もっとも有名なパームハウスのほか、テンパレートハウスやアルパインハウスといった温室、そして日本庭園や圧巻のバラのトンネルなど、詳しく書いています。
そして、キューガーデンめぐりのコツなど、大変実用的な内容になっています。

次に、キューガーデン直伝の園芸テクニックがたくさん紹介されています。鉢栽培や花壇での花の育て方、樹木の植え方、管理の仕方など改めてとても勉強になります。

イギリス流の道具の使い方も大変おもしろい内容です。日本で作られた剪定ノコギリや切りだしナイフ、山菜掘りナイフ、軍手などがイギリスで人気があるというのは面白いですね。

ナメクジ対策としてビールトラップも紹介しています。ナメクジがビールが好きで、容器に入れておいておくと中に入って溺れてしまう、何ともお酒好きには皮肉な方法ですね。(私の庭でも以前ためしてみたら、ナメクジが入っていました。)

第3章にはイギリス人の園芸にかける情熱の項も興味深い内容です。
最後にナショナル・ガーデン・スキーム(NGS)というチャリティーでのオープンガーデンのことを紹介しています。

最終章には英国流の園芸文化の神髄として、キューガーデンのディプロマのこと、イギリスで園芸を学ぶ意味、そして園芸留学を成功させるための壁の乗り越え方をご自分の経験を踏まえて詳しく紹介しています。

それぞれの項目に関連のあるコラムも各所に挿入されていて興味深いものをたくさんあります。たとえば、秘儀「チェルシー・チョップ」、として花壇の植物のおもしろい管理法が紹介されています。大きな花壇にグループ植えした夏以降に咲く草丈のある多年草(エキナセア、フロックス、ヘレニウムなど)、チェルシーフラワーショーの時期に花壇の手前の半分を草丈を半分程度に切り詰める方法で、切り詰めなかった後方の花が最初に咲き、そのあと草丈は低くて脇芽から花数が増えた花が咲いてくるというテクニックだそうです。これは初めて聞きました。

イングリッシュガーデンを夢見て、それを目指して庭造りをしている方や、これから本格的に園芸の道を目指してイギリスでの勉強を考えている方には大変参考になる一冊と思います。




2017年3月14日火曜日

早咲きのカメリア


カメリア(椿や山茶花)はシャクナゲなどとともに、イギリスでも人気のある花木です。

ウェールズとの国境に近いところに庭をもつガーデンデザイナーで作家のノエル・キングスベリー氏が早咲きのカメリア(椿や山茶花)をガーデンズ・イラストレイテッド誌で紹介しています。


・・・カメリアは温かくて日の長い日がすぐ近くまで来ていることを思いださせてくれる素晴らしい植物です。
その多くは春の終わりごろに花を咲かせますが、一部の品種は初冬(あるいは秋)に花をつけます。・・・

サザンカとツバキが日本で古くから栽培されていること、サザンカはとくに温かい九州の気候に向いていて、同様の気候のアメリカ南部ともつながりが深いことも書かかれています。また、イギリスでのカメリアの栽培の注意点なども書かれて興味深い記事になっています。

以下は掲載されている写真の一部です。

CAMELLIA 'SUGAR DREAM'
ニュージーランドで作出

左:CAMELLIA 'FREEDOM BELL'
カリフォルニアのNuccioナーセリーで作出、直立した円錐形の樹形
右:C. HIEMALIS 'KANJIRO'(勘次郎)
古い日本でのサザンカ系の栽培品種で半八重咲き

左:CAMELLIA X VERNALIS 'YULETIDE'
サザンカとツバキの自然交配種から作出
右:C. HIEMALIS 'BONANZA'
晩秋から長い期間花を咲かせる

左:C. X WILLIAMSII 'BOW BELLS'
ドーセットで作出された北国に向いた品種
右:C. SASANQUA 'CLEOPATRA'
秋に咲く半八重の品種で生垣に向く

左:C SASANQUA 'JEAN MAY'
シェルピンクの半八重または八重の花
右:C. HIEMALIS 'SHISHIGASHIRA'(獅子頭)
関西地方原産の成長の遅い品種

左:C. 'WINTON'
明るいピンクの花を長期間咲かせる
右:C. SASANQUA 'LUCINDA'
半八重の不規則な花びらで銀色の艶があり長くもつ

左:C. 'AUTUMN JEWEL'
花びらが綺麗に整列してフォーマルな印象
右:C. 'CRIMSON CANDLES'
花はピンクだが尖った蕾が濃赤色で新緑は銅色

左:C. 'SHOW GIRL'
大きな半八重のピンクの花を冬の終わりにつける
右:C. SASANQUA 'HUGH EVANS'
一重咲きで長い期間花を咲かせ、壁際やエスパリエに向く

C. 'YOIMACHI'(宵待)
コンパクトな樹形で成長が遅く鉢植えに向く


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我が家の庭にも今、淡いピンクの匂い椿の花がさいています
花の少ない季節に咲くツバキはいいですね






2017年3月12日日曜日

ロンドンの真ん中で庭を再生・・新作映画の紹介


ガーデンの再生に奮闘するロンドンに住む若い女性を描いた映画の紹介が、イギリス情報誌のmr partnerの4月号に掲載されています。この雑誌は20年以上も前に創刊されたイギリスの情報誌です。


映画のタイトルはThis beautiful fantastic、日本での公開でのタイトルは「マイビューティフルガーデン」となっています。


以下は記事から引用します

あらすじ
 ロンドンの図書館で働いているベラは几帳面な性格だったが、植物が苦手なために折角の庭を荒れ放題にしていた。そこへ1か月以内に庭を再生できなければ借りている家を出て行くように、との退去勧告が出る。困り果てたベラは仲の悪い隣人アルフィーの力を借りることにする。偏屈な老人に見えた彼から、植物の美しさ、愛することを学んでいくと・・・。

ロンドンの住宅街に秘密の花園が隠れている
 ・・ベラを演じるのは『ダウントンアビー』で愛すべき末娘シビル役でブレイクしたジェシカ・ブラウン・フィンドレイ。貴族のお屋敷と異なる自然の光に溢れた空間で、次第に新しい世界が開けてくるヒロインを熱演。・・







シネスイッチ銀座ほかで全国でロードショーされました。
DVDも発売されています。



2017年3月11日土曜日

ベス・チャトーさんの最新インタビュー・・イギリス人気園芸番組

先日紹介したイギリスの人気テレビ番組の「ガーデナーズ・ワールド」の新シリーズの放送が始まりました。



Montyは彼のロングメドウの自邸の庭から、剪定の秘訣、春の鉢植え植物、そして今年の庭の計画など紹介、


AdamはPackwood Houseの素晴らしいボーダー花壇を紹介、



そしてCarolは、50周年を迎えた番組にちなんで、過去50年間のガーデニングに影響を与えた人々を紹介、トップバッターはベス・チャトーさんです。

Beth Chattoさんは1923年生まれのイギリスのガーデンデザイナーで、おそらく世界で最も著名なプランツウーマンです。
大英帝国勲章授与。英国王立園芸協会のヴィクトリア・メダル・オブ・オナー受賞。チェルシーフラワーショーの受賞が20回以上。彼女のガーデンはイギリス東南部エセックス州コルチェスターにあり、日本を含め世界中からたくさんの人たちが毎年訪れています。

ベス・チャトーさんは、庭を造り始めたころの話や気象条件に合わせた植栽のこと、そして、今までも庭を見ると幸せになれることなどインタビューでは話されています。









モンティーは自邸の庭のクリスマスローズなど紹介、




そして最後は今週末の庭仕事のコーナー


まず、スノードロップの株分け


花の終わった株を掘りあげて分け、一方はもとの位置に戻し、もう一方を新しい場所に植えて増やしていきます。



次はソラマメの種まき





そして、秋に実をつけるうラズベリーの剪定です





番組の最後に週末の天気予報がついています
雨の多いイギリス、今週末も雨が降りそうですね・・



BBCのホームページでは、番組の一部(クリップ)を順次公開していきますが、番組全体をホームページのiPlayerでみられるのはイギリス国内に限られているので、残念ながら日本からは視聴することができません。

でも、最近はインターネットテレビサービスでパソコンから、あるいは携帯電話のアプリ (FilmOn) からライブ映像であれば無料で、簡単にみられるようになっています。

(追記:この記事を書いてからしばらくして無料の視聴は大きく制限されていて残念です)

この番組はイギリスでは金曜日の午後8時からの放送ですので、日本時間では土曜の午前5時です(夏時間では午前4時)。がんばって早起きしないと見られませんね。

でも・・早起きが苦手なひとには、再放送が日本時間の日曜の夕方にやってますので、こちらがおすすめです(笑)




追記 YouTubeに動画がアップされています。(すぐに見られなくなることがあります)